今回はアウトラインプロセッサ(全体構造を詰めるためのソフトウェア)についてのお話しです。
制作として、取材やプランをまとめたり、コピーの骨子を作ったりする作業において、アウトラインプロセッサは欠かせません。
最初は専用ソフトウェアを使っていたのですが、現在は「エクセル(Microsoft Excel)」がメインになっています。
その、利用法についてまとめてみたいと思います。
マインドマップと階層図
制作のプランナーとしての仕事とシステム・エンジニアとしての仕事の最初のプロセスは、ほぼ同じと言えます。
お客様のヒアリング→アウトライン(企画概要・システム概要)の策定→プレゼンという流れは両者ともに変わりはありません。
しかし、手法は少し、異なっていました。
企画・デザイン業界のマインドマップ
ヒアリング内容をもとに、テーマから様々な骨子を導き出す手法として「マインドマップ」が一般的でした。
発想に自由度があり、手書きでの打ち合わせやブレストにおいても常に役立つ手法です。
そのため、企画・デザイン業界でアウトラインプロセッサを利用するとしたら、マインドマップのために利用することが多いのではないでしょうか?
システム業界の階層図
しかし、システム業界ではマインドマップは自由度がありすぎて、ドキュメンテーションのなかに入りづらく、「階層図」を使用するのが一般的でした。
企業においてはマインドマップをドキュメントの一つに指定している所もありますが、どちらかというと記述された項目(機能)を見落としやすいため、階層図の方が優れていると思います。
システム業界の場合は独自のドキュメント支援ツールが充実していたため、アウトラインプロセッサを利用することはあまりありませんでした。
ページ階層の検討のためにアウトラインプロセッサを使う
デザイン業界において「階層図」の概念が、使われるようになったのは、ホームページ制作を行うようになってからではないかと思います。
私がデザイン業界に転身した当初、アウトラインプロセスの技術はすでにデザイン業界にありましたが、「階層図」を「ページ階層図」に転用する発想はありませんでした。
私が属していたデザイン事務所で、ページ構成に「階層図」を利用したのは、私が最初だったと思います。
そこで、まず考えたのはアウトラインプロセッサによって「ページ階層図」を作ることでした。
インスピレーションの問題
当時、Macでは「インスピレーション」が定番のアイデアプロセッサでした。
デザイン業界で、かつMacユーザーでしたらベストチョイスだったと思います。
しかし、お客様との共有という問題が発生しました。
当時のインスピレーションはPDFをサポートしておらず、データ共有の方法がありませんでした。
そのため、お客様との共有がしやすいソフトウェアでの作業を考える事になりました。
エクセルの図表ツールでプランニング
今ではMacも普及していますが、やはりビジネス利用となるとWindowsです。
誰もが使えるソフトウェアということになると、Microsoft Officeが直ぐに頭に浮かびます。
そこで、使ったのがエクセルです。
ページ自体を画像ボックスに見立てることによってマインドマップの手法も問題無く可能となりました。
必要なことは「発想」ですので、どんなソフトウェアを利用したとしても慣れれば違和感がなくなりました。
今ではエクセルでマインドマップを行い、即座にページ階層をアウトプット出来ています。
お客様にメールで送って手直しして頂くことも可能です。
マインドマップ
ページ階層図
まとめ
以上、このページは少し頭を過去にタイムスリップさせて書いてみました。
既にエクセルにもアウトラインプロセッサとしての機能が実装されているようですが、セルを見立てるやり方は現実的ではありません。
仕事の効率化のためにも、このページを参考にしていただけたらと思います。
では、また。
by T.Y.